1. 政治:2026年度予算成立とルコルニュ政権の安定
フランス議会は今月、2度の不信任決議案を否決し、2026年度国家予算案を正式に採択しました。これにより、数ヶ月に及んだ政治的停滞に一区切りがつきました。
- 財政再建の断行: 新予算は、2025年に5.4%だった財政赤字を2026年末までに**5.0%**に削減することを目標としています。このため、一部の大企業に対する増税(約73億ユーロ規模)が盛り込まれましたが、富裕層への課税強化を求める左派の要求は退けられました。
- 国防費の大幅増額: ルコルニュ首相は、予算の「核心」として防衛費を65億ユーロ増額することを決定しました。ウクライナ情勢や欧州の安全保障環境の変化に対応するため、軍事力の近代化を最優先事項としています。
- 妥協の産物: 少数与党政府として、野党・社会党の要求の一部(学生向けの「1ユーロ給食」や低所得者への手当増額)を受け入れることで、辛うじて政権崩壊を回避した形です。
2. 外交:フランスG7議長国の始動と欧州の危機感
2026年1月1日より、フランスはG7(主要7カ国)の議長国に就任しました。6月にエビアン=レ=バインで開催される首脳会議に向け、準備が本格化しています。
- 戦略的自律の模索: マクロン大統領は、アメリカのトランプ政権の外交方針転換や、ロシア・中国による世界秩序の再編に対し、欧州独自の「戦略的自律」を改めて強調しています。
- 独仏関係の緊張: 一方で、軍事プログラムの共同開発や、フランス農家が強く反対しているEU・メルコスール(南米南部共同市場)自由貿易協定をめぐり、隣国ドイツとの対立が表面化しています。マクロン氏は「共同軍事プログラムの停止」を示唆するなど、強い姿勢を崩していません。
3. 社会・経済:農業祭の開幕と生活の話題
- 第62回農業国際見本市(サロン・ド・ラグリカルチュール): パリのポルト・ド・ヴェルサイユで2月21日から開催されており、本日23日も多くの来場者で賑わっています。農家による抗議活動が警戒される中、ルコルニュ首相は農家への追加支援を強調する場として活用しています。
- パリ最古のプールの再開: 1884年創業、フランス最古の屋内プールであるパリ10区の「シャトー・ランドン・プール」が、長年の改修を経て本日2月23日にリニューアルオープンしました。歴史的建造物の活用例として市民の関心を集めています。
- 人口調査の延長: INSEE(国立統計経済研究所)によるパリの人口調査が2月28日まで延長されており、本日もオンライン等での回答が呼びかけられています。
4. 科学・エネルギー:IEA閣僚理事会の成果
先週パリで開催された国際エネルギー機関(IEA)閣僚理事会の成果を受け、フランス政府は「クリーン調理エネルギー」へのアクセス拡大や、重要鉱物のサプライチェーン確保に関する国際協力の主導権を握る方針を固めました。